2022/07/04

わすれてしまう 美しい景色を見たとき、素晴らしい体験をしたとき、いろんなときに、いろんなことを思い出す。 真っ暗な夜の海で僕はコンクリートで塗り固められた岸壁から水平線を眺めている。水平線には、ぽつぽつと船の明かりが浮かび、その中でもひとき…

2021/05/20

雨が降っている。 雨が降り続く中、雨粒の景色を見るために外に出た。 歩くうちに何か様々なことを考える。 自分の事、他人の事、過去の事、未来の事。 家の近くの喫茶店には寄らずに、少し遠くの喫茶店を目指す。 少しさびれたショッピングモールの吹き抜け…

2021/05/11

海に行きたい。 海をぼんやりと眺めていたい。 生きていくことと生活することは、別なことはわかっている。 居心地の良さを求めることは、必ずしも生活につながらず、 自分の中の相反する感情に戸惑いを覚える。 余程、何かを余らせているのだろう。 あるい…

2021/04/19

昨日、匿名相談に電話をかけ、一連の流れを話した。 その後、祖母にも話し、号泣した。 号泣したことにとても驚き、それだけ思いが大きくなっていたことに気が付いた。 今は少し傷心気味だけれども、吐き出して半分すっきりとした。 もう半分は変わらないの…

2021/04/02

このどんよりとした心持ちに、なんと名前を付ければよいのだろうか。 持続的な哀しみと、もう過ぎてしまったものに対するあきらめ、 やるせなさが自分というものの周りをくるりと取り囲み、 僕はその様子を離れたところで傍観しているかのような感覚を持つ。…

2021/03/12

海はなぜこんなにも輝いているのだろうか。 海面に映る太陽の輝きは、優しく、空は少し霞み、 僕はそれをうまく説明するすべを知らず、 また、何か言葉を発すると何か違ったものになってしまうような気さえして、 躊躇いと無言の時間を過ごしてしまう。 昨日…

2021/03/01

3月になって、溜まっていた休日を消化する。 1か月のほとんどが休みで埋め尽くされているスケジュール表を見て、自分は何がしたいのかとふと不安になる。 自分は休みを使いきれるのだろうか、休み中に終わらせておきたいことは何かあったのか、何のための休…

2021/02/18

「きっと何かいいことがあるよ」という言葉は無責任で、 「生きててありがとう」は、誠実さを感じる。 先月から友人と外出する機会が増えた。 二人でお茶した後、目的も無く散歩に出る。 あるいはかねてから行きたかった場所に行ってみたり、遠出してみたり…

2021/02/05

連日で日記を書いている。そんな自分に驚き、またそのことで生きることを楽しんでいる自分を認識する。 人と人との関係に名前を付けると窮屈になる。だから関係性に名前を付けるのはやめようと思った。 関係性に名前を付けだすと、その関係性の枠からはみ出…

2021/02/04

八日目の蝉を読み、老けたことを実感する。 それは、とても緩やかに確実に自分の中にしみこんでいたことをしっかりと実感した。 昔、よく遊んでいた友人のカラオケでの十八番の一節を思い出す。「君だけはオリジナルラブをつらぬいて」 子どもを育てるという…

2021/01/28

友人と夜の海へ行った。 海の近い駅で降りて、駅のホームで友人を待つ。 次の電車で友人がホームに降り立ち、その次の電車で橋の近くの駅に降りた。 特に何も考えず、海と橋を眺めて、そのまま海沿いに歩いて行った。 西へ西へと歩いていく。南には常に海が…

2021/01/25

不思議なことに、僕は今喫茶店にいる。 コーヒーを飲んでいる。 最近、いやだいぶ前から自分の感情がわからなくなることを感じている。 悲しいのか、嬉しいのか、あるいは何か別の感情を感じているのか。 「乞食と馬」というお話を読んだ。馬になつかれた乞…

2021/01/12

ベランダに出て煙草に火をつけると、飛行機の音がしていた。伊丹空港から飛び立った飛行機は、東の空へと飛び立っていった。時刻は18時55分。冬の空は暗く、街と空の地平線は、薄明るく輝いていた。日の出を待ちきれない人々が乗っているのだろうか。あるい…

2021/01/08

年末から年始にかけて様々なことがあった。 一つは実家に帰って、実家の少し不自然な人間関係に気づいたことだ。人は意図せず自分の中に複数の自分を用意していることがある。その複数の自分を認識することができず、暴走すると、引き戻されてしまうのだろう…

2020/12/24

冬至の日は素晴らしかった。 何もかもが輝いていた。 1秒1秒を大切にできた気がした。 また、来年もそのような時間が過ごせることを祈りつつ、 また、海から離れていくことを惜しみつつ、電車に乗って帰っていった。 友人と話をする。 人を観察する。 場所に…

2020/12/13

痛みで目が覚めて、ロキソニンを歯でくわえたままトイレに行く。水分を取らなくては、胃に穴が開くと思いながら、飲み込むことを我慢する。眠気と激しい痛みで、朦朧とする意識の中で、部屋を見渡しながら睡眠時間を考える。トイレから出て、コップの水とと…

2020/12/12

時間ができたのでバイクの免許を取りに行って、こないだ転倒して、 指の骨が折れたので手術をしてきた。 痛みはあるが、それほどでもなく、 人は痛みでは死なないことを再認識した。 病院の待合室は、窓に面していて、秋から冬へ移り変わる 大きな窓の向こう…

2020/12/10

時々、思う。 どこまで行っても孤独だと。 どこまで行っても分かり合えないものだと。 経験や過去、能力、趣向、考え方の違い、そういったものが邪魔をする。 そして、時として言葉は心を傷つける。 10年前に書かれたブログを読んだ。 そこには、今必要なも…

2020/11/29

時々、ぼんやりと考え事をしているときがある。何を感じたいのか、何を思ったのか。 その一瞬の間に何を見出すのか。それは自分自身が、あるいは話し相手が。 誕生と成長と死を描いた小説を読んだ。ひたすらに上質な言葉で、日常の中で死に向かう人とその周…

2020/11/24

慣れない土地で喫茶店に入って、ぼんやりとウォーターサーバーを眺める。濾過された水が一滴一滴と波紋を広げてゆく。波紋は静かに広がり、タンクの内壁に反射して再び中心に集まる。 そして気づいた。ここは全く揺れの無い場所なんだと。都会は常に揺れてい…

2020/11/17

最近、何だろうなぁと思うことがよくある。あれは何だったんだろうか。と思うこともある。 残像だけが残っているような感覚。寝ぼけたような、ただはっきりしていたような。 生きていく中で不要なものは捨てゆき、希薄なものしか残らなくなってしまったよう…

2020/11/12

誰かが一節をささやいた誰かがそれに重ねた from 大脱走のテーマ(FoZZtone) 時に、輝かしいと思う何かを目にした。そこに本体をなくした鍋の蓋があって、また、鍋の蓋をなくした鍋があって、偶然出会ってそのままつきあっているという話だった。 自分自身は…

2020/11/11

ここに来てから7年ぐらいが過ぎていたことに気が付いた。 カシスオレンジのじわっと混ざりゆく様子を思い浮かべながら気づいた。 妻と付き合い始めて3年間ぐらいの間、僕は妻に何かを求めていたが、 結局手に入れることはできなかった。 どんなに口にしても…

2020/09/11

今朝は早くに目が覚めた。 朝5時ぐらいだろうか。横で寝ている妻の肘が、布団の横にほったらかしになっていた電灯のリモコンのボタンを押し、部屋中が一気に明るくなった。 目の前が一瞬紫がかったピンクのような色になり、飛び起きた。 妻は、眠たそうに起…

2019/09/04

雷雨の時間は過ぎ去って 雨が止んだ頃には、もうとっくに日がくれていた。街灯に集まる虫 じめじめとした空気それは、全くいつもと変わらなかった ついさっき過ぎた時間が、まるで無かったかのように。今度は北に、旅行に行きたいと思った。

2019/07/17

少し時間が空いてしまった。陽炎が見えるほど暑い昼時、 干からびかけたヒトデと、 海草が熱気を帯びて乾くような そんな匂いが漂っていた。海から遠ざかると山が近づき、 蝉の鳴く声が近くなる。 ヤドカリと拾ってきた二枚貝は、暑くなって 水槽の中で死ん…

2019/06/27

遠く、雷は鳴り響き、 空を見上げれば、とても深く、青かった。蝉の鳴く音、ベットリとした空気。さっきまで何処に居たのかわからなくなるほど眩しかった。夏至の日は長く、夏の近づきを感じさせる。 日が、ゆっくりと沈んでいき、早々と顔を出す様は どこか…

2019/06/07

今日は朝から雨が降っていた。空がよどんでいて、薄暗い。 少しじめじめして、蒸し暑い。タバコを吸うために外に出ると、 雨の匂いが、湿気と共に自分の中に入ってきた。傘をさして外を歩くと、水溜まりに曇り空が写る。 都会の雨の日は、遊園地を思い出させ…

2019/05/23

今日の朝は、どこかぼんやりしていた。 朝から頭のなかをサンボマスターの曲が流れていた。昨日の夕暮れは、6月の足音が聞こえてくるような気がした。6月は旅行に行ってくる。 遠く海の向こうに、旅行に行ってくる。気がはれて、さっぱりとした気分で、9月を…

2019/05/08

ここ数年、音楽をじっくり聞いていない気がする。 立ち寄ったカフェでは、カーペンターズが流れていた。最後にCDを買ったのはいつだろうか。 いつの間にか、時間が過ぎて、 どれもこれも同じ物のような感触を抱くようになった。 そう思った。インスタントな…