2021/01/12

ベランダに出て煙草に火をつけると、飛行機の音がしていた。
伊丹空港から飛び立った飛行機は、東の空へと飛び立っていった。
時刻は18時55分。

冬の空は暗く、街と空の地平線は、薄明るく輝いていた。
日の出を待ちきれない人々が乗っているのだろうか。
あるいは薄明かりの中に光を求めていったのだろうか。


室内に戻ると、おなかがすいていることを思い出した。
昼から何も食べていないことに気づく。
あとで干し芋でも食べよう。どこかにあったはずだ。

氷解の感触は、突然の様にやってきた。
自分の中にある何かが解けたような感触がした。
自分の心の中にある何かがふっと解けた感触。
あれは、何だったんだろうか。

今、部屋を見渡せば、さっきまでとても暗かった部屋が明るく見える。
心のままに生きるのは難しい。されど、蒸発するには理由もない。
鬱屈とした、冷たい雪のような感触は解けゆき、
ただそこにあったことを物語る水たまりだけが残っている感触。
おそらくそれはいずれ蒸発してしまう。

書き留めておかなければ。
記しておかなければ。